第七回 メカニカルシール

みなさんこんにちは、なっとくユーアイ塾のお時間がやってまいりました。今回も元気に分かりやすく色んなことを解説しようと華麗に参上です!

さて突然ですが、今このページをご覧になられている施設管理者様は「ポンプから水漏れしてる(>_<)」という状況に陥ったことがありますでしょうか?
恐らく多くの方が経験されたことがあるでしょう。今回はその「ポンプからの水漏れ」についてお話してみようと思います。 「一体なにが壊れてるんだ?」「なにが悪くなってるんだ?」といった理由、僭越ながら解説させていただきます!
では最初にポンプからの水漏れ原因から入っていきましょう。
考えられる可能性ですが……正直な話、原因は1つしかありませんッ!それは「メカニカルシールの劣化・破損」なのです!
ポンプはほとんどこれによってスプラッシュしているといっても過言ではありません。最近のポンプたちは有能なので他の箇所から水漏れすることはまずないのです。

メカニカルシールってなんだ?

そこでメカニカルシールとはなんぞや、という説明をするには、まずポンプの仕組みからお話する必要があるのでザッと簡単な図にしてみました。

だれがなんと言おうとポンプの図

ポンプというのは一般的に「モーター部分」と「水の通り道部分」に別れています。電気で動くモーター部分と水の通り道を一つにしてしまうと故障の原因となってしまうからですね。
二つの部分を繋げているのは主軸と呼ばれるいわば「回転する棒」です。モーターがぐるんぐるん回している棒ですね。シャフトとも呼ばれます。その主軸の先には羽根車(インペラ)が付けられていて、これで水を循環させているわけです。
さてここで問題になってくるのが「水の通り道部分」と「回転する棒」の接続です。図で言うとピンクのところです。
「水の通り道部分」と「回転する棒」の接続部分にはわずかな隙間が空いています。固定してしまうと棒が回転できなくなってしまうからです。
でも隙間が空いていたら当然水がジャバジャバ漏れてきます。そのためここに詰め物をしなければなりません。ここで出てくるのがメカニカルシールというわけです!

マジですごいぞメカニカルシール

詰め物と言ってもギュッと詰めてしまうと回転の妨げとなってしまいますし、主軸も擦れて摩耗してしまいます。
なのでめちゃめちゃいい具合に水を漏らさず、かと言って主軸も摩耗させずという塩梅の高性能アイテムが必要です。
そこで登場するのがメカニカルシールくん。

メカニカルシールは多くのメーカーさんがいっぱい種類を出しているので形状は様々で全部こんな形をしているわけではないのですが……。

シールとは英語で「封じる」という意味があります。この場合、ポンプからの水漏れを「封じる」のと外から埃塵の侵入を「封じる」役割があります。
実際どういうふうに取り付けられているかは下部の図をご覧ください。

取付図

ピンクの部分の拡大図です。
メカニカルシールは「回転環」と「固定環」の2人で1つ。初代ぷ〇きゅあみたいなものですね。どちらが欠けてしまってもいけません。
「回転環」は主軸に取り付けられ一緒に回転する部品、「固定環」はポンプ本体に取り付けられている部品です。
この二つの部品が接触する部分を「摺動面(しゅうどうめん)」といいます。摺動面には数ミクロンレベルの隙間が垂直に空いていて、強い摩擦で摩耗することもなく、また水を漏らすこともないテクニカルな間隔でポンプが最高のパフォーマンスをできるよう支えています。
ちなみに、摺動面には水の膜がうっすら形成されており、潤滑油の役割を果たしています。細かく説明するならば、メカニカルシールは水漏れを最小限に抑えるためのもので、わずかに漏れてしまうものは潤滑油として利用してしまおうぜっていうアイテムなんです。素晴らしい有効活用!頭脳派!
ただしメカニカルシールも長く使えば消耗してしまいます。寿命でいえば大体2~3年くらいでしょうか。徐々に接触部分が摩耗し摺動面の間隔が開いてしまい、水漏れが発生します。こういうときはもう潔く交換してください。よう頑張ったな、と感謝しつつ。

また経年劣化以外でもメカニカルシール部分から水漏れしてしまう場合もあります。ポンプの空運転や錆などの異物噛み込み、主軸の異常です。
こういうときは2~3年経たずして水漏れが起きます。分かりやすいです。
メカニカルシールはミクロン単位で調整をするアイテムなので結構繊細です。空運転をすると潤滑油代わりの膜ができなくなってしまったり、交換のときなどに摺動面を素手で触ってしまうと皮脂の付着のせいで消耗を早めてしまったりします。すごく取扱い注意な代物です。トリセツの歌ができそうです。(以後自重)

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