第五回 業務用追い焚き装置

 

 ハッピーゴールデンウィーク&暖かい日和! 眠い! おはようございます、ユーアイ塾のお時間です!
 冬からインフルエンザ対策としてマスクをつけ始めて以来、スギ花粉の脅威に晒され今までずっと顔の半分が封鎖されていたという方がこの日本に一体何人いらっしゃるでしょう。しかしスギ花粉の飛散も終わり我々はようやく解放されました。さぁマスクを脱いで。ついでに服も脱いで。とりあえずお風呂に入りましょう。そしてこの記事を読み、お風呂の豆知識で脳に皺を刻むのです!
 と、いうことで、今回のテーマは業務用追い焚き装置です。お湯の温度を常に温かく保つため、日々頑張っている彼のことを詳しく解説します!

 アナタの体をアツくするッ!追い焚き装置とは一体!

 なんかきわどい言い回しになってしまいましたが気にしないでください。
 さて、追い焚き装置とはその名の通り、お風呂が冷めないようにお湯を焚く装置。昨今、家庭のお風呂も自動湯張り・自動温度維持が当たり前の時代になっており身近な存在ですよね。
 では業務用の追い焚き装置も家庭用と同じ仕組みなんだろうか? というと、そうでもないんですね~~。今回ははじめに、家庭用の追い焚き装置と、業務用の追い焚き装置の違いからお話ししていこうと思います!

図1 家庭用追い焚き機能付き給湯器

 家庭用追い焚き装置
 家庭用追い焚き装置、と申しますと、それはもう給湯器と一緒になっているタイプが圧倒的です。ボタンひとつで快適なお風呂が楽しめちゃいます。世の中は便利です。仕組みとしてはこんな感じ。(こちらは瞬間式のガスふろ給湯器です)
 ガスバーナーの熱で熱交換器内を流れている水を温める仕組みです。
 洗面所やキッチン、シャワー、お風呂の湯張りは水道から引いた水を温めています。追い焚き循環は別の配管を使い温め直しているのが分かりますね。たとえお湯が出る場所が同じでも、追い焚きには専用の配管とバーナーがあるのです。キッチンや洗面所でリサイクル水は使いたくないですもんね。

 

 

 次の話に行きます。さっき瞬間式のガスふろ給湯器とか言うてたけど、なにそれ?
 はい。これを言い出すと話が逸れてしまうのですが、家庭用の給湯器にも種類がたくさんあります。

 給湯範囲、燃料、給湯方法から家庭に合わせて給湯器を選定しています。本当に色々あります。家庭用はあまり詳しくなかったのですが、調べてみたらすごくややこしくて正直ビビりました。
 余談ですが、家庭用の追い焚き機能付き給湯器というのは「循環式」と「さし湯式」の2種類があるらしいです。図1は循環式ですね。
 さし湯式っていうのは新しいお湯を入れて湯温を上げる方法。水位がさし湯分増えてしまいます。家庭用の「追い焚き」っていうのは「湯温を上げる」という意味で、方法までは決まっていないんですって。へ~~。リ フォームなどを考えている方はそこらへん注意しなきゃですね!

 業務用追い焚き装置
 続いて業務用追い焚き装置の仕組みですが、こんな感じになっております。

 ものすごく簡略化した図ですが、こんな感じです。家庭用とは違い、湯張りは給湯器、追い焚きは追い焚き装置、と完全に役割を分担しております。
 追い焚きの仕方は、まず浴槽からぬるくなったお湯を引き、ヘヤーキャッチャーで髪の毛やごみを取り払います。それから循環ポンプを通り熱交換器で加熱され浴槽に戻っていくわけですね。シンプル。
 ……いやしかし。昇温用給湯器という見慣れない言葉がありますね。昇温用? いやいやいや、なぜそこで給湯器を一個挟む? って思いません? 私は思いました。
 すごくムダな気がする。その熱交換器を温めるためだけに給湯器一台使うのすごくもったいない気がする。
 このモヤモヤを解消すべく理由を調べると、「まぁそうだわな」っていう理由がいくつかありましたのでご紹介します。

 とりあえず熱交換器の話

 基本的なことをまだお話していなかったのでご説明します。
 熱交換器とは『温度差のある2つの流体(液体や気体)の間で熱エネルギーの移動や交換をし、加熱や冷却を行う装置』です。家庭用給湯器にもありましたよね。あれはガス(気体)の熱エネルギーと水(液体)の熱エネルギーをやりとりしていました。
 ユーアイ技研が作る業務用追い焚き装置の熱交換器はシェル&チューブ式熱交換器といいまして、仕組みとしましてはこんな感じです。

 シェル(本体)の中で昇温用のお湯が循環しており、浴槽水はシェルの中にある蜂の巣みたいな細いチューブを通っていきます。そのとき熱交換が行われるわけですね。
 他にも熱交換の方法は様々ありますけど、ちょっと今回は省きます。次回にします。長くなるので。
 昇温用給湯器というのは、このシェルを循環している湯を昇温する専用の給湯器です。

業務用追い焚き装置のルール

 さて話は戻りまして「家庭用給湯器の規模をデカくすれば業務用に使えるんじゃないのか!?」とはいかない理由です。

2つのダメダメ要素

その1.直接昇温はダメ
その2.給水配管と循環配管は繋げちゃダメ

 

理由その1。家庭用給湯器の追い焚き方法を思い出してください。ガスバーナーの熱で直接水温を上げていましたよね? これは業務用的には避けるべき昇温の仕方だったりします。
 まず、火炎や燃焼ガスで加熱する方法を直接加熱と言い、温水やスチームで加熱する方法を間接加熱と言います。業務用に直接加熱が適さないのは、配管の腐食が早まってしまうからです。
 直接加熱はたしかに昇温能力が高いですが、その分配管にかかる負担が大きいです。さらに業務用は稼働時間も長いですからすぐ穴が開いたりして水漏れしちゃうわけです。それから直接加熱は配管詰まりの原因ともなるのです。
 理由その2。家庭用の給湯器は給水配管と循環配管が出口付近で繋がっていましたね。業務用はこういうのアウトです。
 家庭のお風呂って基本的には特定の人間しか使いません。だから「管理は自己責任だよね」っていう感じでオッケーなのですが、公衆浴場は不特定多数の人間が使用しますのでそうは問屋が卸さない。完全に別々の配管にしなければなりません。
 結果、昇温用給湯器は必要な存在ということ。
 ちなみにこの昇温用給湯器ですが、同じ水をずっと循環させています。ま、入れ替える必要ないですもんね。蒸発分は水道から補給しますが、そうそう多くは蒸発しないので、五年前の水とかが余裕で循環していたりますよ。

 と、いうわけで、今回は業務用追い焚き装置のことを語ってみました。どうだったでしょう?
 次回は宣言通り、熱交換器のお話をしようと思いますので、こうご期待(?)

 業務用追い焚き装置のお問合せは072-936-0039までお電話ください!

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